行政書士になる

行政書士は誰でも開業できるわけではありません。 「私も行政書士に」と考える方に、行政書士になるまでのステップと 私が思う留意点を説明します。

登録資格
 行政書士登録を受けるためには行政書士の資格を有することが必要です。 一般には毎年1回行われる行政書士試験に合格することで資格を得ることができます。 法令関係の資格の中で「序の口」にあたる資格ですので比較的簡単に合格できますが、 それでも合格率は毎年10%前後です。行政書士になろうと思ったら、 しっかりと勉強してください。
 多くの士業に共通ですが、いくつかの欠格事由があります。 欠格事由に該当する方が行政書士になろうと思わないでしょうが、 念のため言及しておきます。気になる方は、「行政書士 欠格事由」で検索してみてください。 すぐに見つかります。

行政書士登録
 資格ができたら、各都道府県にある行政書士会に登録申請します。 行政書士になってしまえば日本中から仕事をとることができますが、 どこかに一か所事務所を構えることが必要で、 事務所を置く都道府県に申請することとなります。
 後から知ったことですが、事務所に関する要求事項が都道府県によって違います。 もし、あなたの住所地が県境付近であるなら、どちら側に事務所を置くべきか、 事前に検討した方がよいでしょう。

登録費用
 以下が、私が登録したとき(H14)の登録費用です。
  ・入会金   150,000.-
  ・申請手数料   25,000.-
  ・収入印紙    30,000.-
これ以外に、申請書に添付する各種証明を得るために数千円かかります。 さらに事務所の開設費用が必要です。私の場合は、自己所有の不動産に専用の電話、 事務機等最小限の投資だけして事務所としましたが、それでも16万円ほどかかりました。 先に言及した事務所に関する要求事項に来客対応スペースがあれば、 この金額は簡単に数倍に跳ね上がります。また、現在の入会金はもっと高くなっているでしょうし、 これも都道府県によって違います。高くつく都道府県で開業すると、 開業時に100万円以上の資金が必要になります。
 また、行政書士会に入会すると会費が発生します。 その数か月分を登録申請時に支払うことになります。いかがでしょう? 開業のための苦労・ 費用に見合う収入が得られそうでしょうか? 待っていれば依頼が飛び込んでくるものではなく、 ぼーっとしていて食える資格でもありません。行政書士の活動領域は非常に広いのですが、 苦労に見合う収入を得るためには、強い領域を持つことが必須です。 (必要条件であって、十分条件ではありません。)これがないのであれば、 強い領域を作るための修行期間中の収入を別途探さなければなりません。
「やめようかな?」と思われたのではないでしょうか? もし迷っているなら、 開業はおすすめしません。でも、それでもなりたいという方なら大歓迎です。

 以上、行政書士になろうという方への留意点を記しました。 お役に立つことを期待します。

柚木行政書士事務所
isamu@yunoki-office.jp